みなさんは子どもの教育費をきちんと用意できるだろか不安になったことはありませんか?また、もう1人子どもが欲しいけど金銭的に大丈夫かなと思ったことはないでしょうか?子どもを育てるために必要なお金はいろいろありますが、その中でも教育費は金額が大きく、気になっている方が多いと思います。
用意しなければならない教育費は進路やご家庭の方針によって金額が大きく変わります。まずは、調査データをもとに、おおよその教育費の額を把握してみましょう。
幼稚園から高校でかかる教育費
※2014年3月までの入学者は公立高校の授業料がかかりませんでしたが、法律の廃止により現在は授業料がかかります。調査データには授業料無償の対象となる学年のデータが含まれているため、都立高校の授業料(年額12万円)を加算しています。
幼稚園から高校までの教育費を大きく分けると以下の2種類です。
- 学校関係の費用(以下、学校関係費)
- 入学金、授業料、寄付金、教科書・教材・制服などの費用、通学費用、給食費など。進学先に応じて決まる部分。
- 学校以外の費用(以下、校外活動費)
- 学習塾、家庭教師、習い事などの費用。何にいくら使うかは家庭の方針次第。
公立校と私立校で教育費の金額は大きく変わります。また、校外活動費が占める金額が大きくなっています。進路の選択と塾、習い事などの選び方によって教育費の額に大きな差が出ると言えるでしょう。
幼稚園でかかる教育費
3歳になると幼稚園に入園したり習い事などを始めたりするため、教育費が増えます。
公立幼稚園の教育費は、授業料、制服などの通学用品費用、給食費を中心とする学校関係費が年間14万円、習い事などの校外活動費を加えると年間21万円になっています。私立幼稚園の場合は、公立園よりも授業料や入学金などが高額になるため学校関係費が年間36万円、校外活動費を加えると教育費は年間50万円と公立園の2倍以上になっています。
幼稚園は公立園が少ないため私立園に通うケースが多く、82.9%の子どもが私立園に通っています。私が住んでいる中野区でも、私立園が21園に対して公立園は2園しかないため私立園を選ばざるを得ない実情があるようです。
小学校でかかる教育費
小学校に入ると、公立校の場合は授業料がかからないため幼稚園の時よりも学校関係費は減りますが、塾や習い事などの校外活動費が増加する傾向があります。私立校の場合は、学校関係費・校外活動費ともに大きく増加します。
公立小学校の場合、学校関係費は制服やランドセルなどの通学用品費用、給食費など年間10万円ほどです。校外活動費を含めても、教育費の合計は年間32万円になっています。
一方、私立小学校は授業料や入学金などがかかるため学校関係費は年間93万円と公立校に比べて高額になります。塾や習い事にかける費用も私立校に通う子の方が多い傾向があり、教育費の合計は年間154万円になっています。
小学校は公立校に通うケースが圧倒的に多く、私立校に通う子どもの割合は1.2%ほどです。私立小学校でかかる金額は公立小学校よりも6年間合計で700万円以上も多く、大幅な負担増になります。進路として私立小学校を選ぶ場合は、十分な準備が必要と言えます。
中学校でかかる教育費
中学校も私立校に通う子どもの割合は7.1%と少数派です。
公立中学校も授業料はかからないものの、部活動に関する費用などが小学校時代よりも増え、学校関係費は年間17万円ほどかかります。また、塾などの費用が増えるため校外活動費が増え、教育費の合計は年間48万円になっています。
私立中学校の場合は、授業料や入学金などがかかるため学校関係費は年間103万円と公立校に比べて高額になります。中高一貫校が多いためか塾にかける費用は公立校よりも少ないものの、その分習い事にお金をかける傾向があるため校外活動費は公立校とほぼ同額になっており、教育費の合計は134万円になっています。
高校でかかる教育費
高校生になると私立校に通う子どもの割合は31.7%まで上がります。高校は公立校でも授業料がかかりますが、公立私立を問わず国からの就学支援金(所得制限あり)があります(文部科学省『高等学校等就学支援金制度(新制度)について』)。
公立高校の場合、学校関係費は年間35万円、塾などの校外活動費を含めた教育費は年間52万円となっています。私立高校は授業料や入学金が公立校よりも高額になる傾向があるため学校関係費は年間73万円、校外活動費を含めた教育費年間99万円となっています。
- 出典
- 教育費:文部科学省『平成26年度 子供の学習費調査』
私立校割合:文部科学省『平成28年度 学校基本調査』
大学でかかる教育費
大学生になると遠方の大学に自宅外から通学するケースも出てくるでしょう。その場合は、学費に加え生活費も必要になります。
大学でかかる学費

入学費用には入学金・寄付金のほか、受験費用や入学しなかった大学への納付金などの入学費用を含み、在学費用には授業料を中心に教材費、通学費用などを含みます。
大学生になると教育費が大幅に増えます。進路による差も大きく、国立より私立、私立の中でも理系学部はより高額になり、国立大学が4年間で485万円に対し、私立大学(理系)は880万円と400万円ほどの差があります。また、入学費用のかかる初年度にはまとまったお金が必要になるため計画的に準備する必要があります。
自宅外通学でかかる生活費
自宅外から通学する場合は、さらに費用がかかります。
大学生の居住形態別の年間の生活費は下のようになっており、自宅外からの通学の場合は住居・光熱費や食費がかかります。また、寮よりも下宿、アパートなどの方が住居・光熱費が高くなります。居住する地域によっても差が大きくなりますが、下宿・アパートなどの場合は、自宅通学と比べ4年間で平均256万円ほど余分に費用がかかるということです。

まとめ‐幼稚園から大学までの進路別の教育費-
代表的な8つの進路ごとの教育費は下のようになります。一番少ない幼稚園のみ私立のパターンでも1,000万円を超えますね。一番多いすべて私立(理系)の場合は2,500万円を超えています。大学に自宅外から通学する場合は、さらに生活費も加わりさらに増えます。

この教育費を自治体の助成金や奨学金なども利用しながら、用意していくわけです。ぜひ計画的に準備して、お子さまの夢を応援したいですね。
教育費の貯め方についてはまた後日!